月を待ちわびて・・ -カツノブログ-

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zoom RSS 雪解星

<<   作成日時 : 2007/03/22 21:04   >>

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この冬は2月と3月が入れ替わってしまった感じで、“春”がフライング・スタートしたのをやり直しさせられたように、3月の方が寒かったのですが、彼岸の中日を過ぎて平年並みに戻ったみたいですね。

気まぐれな“自然”の振る舞いに戸惑っているうちに、暦は、陰暦二月“如月”になりました。
その陰暦二月の季語が、沖縄地方に残っているそうです。
【 二月風廻り 】
「にがちかじまーい」 と読むのだそうですが、旧暦の2月に吹く暴風のことで、本土でいう「春一番」にあたるのでしょうか?

春の気配を感じさせる、この頃の季語としては、北海道に、「雪解星(ゆきげぼし)」というのがあります。これは本格的な雪解け前、だんだん日差しが高くなり、水蒸気が立ち上がってくると、冬の夜空のぎらぎらと透明に見えた星が、少し潤んでくる。その潤みを持った三月頃の雪国の夜空を、「雪解星」というのだそうです。

本来、固体が液体に変化する場合は「溶ける」または「融ける」の字を使うのでしょうが、“雪がとける”場合に、「解ける」を使うのは、「帯を解く」「誤解を解く」「難問を解く」・・・といったように、開放されるイメージがあり、厳しい冬から解き放たれる喜びを象徴しているのではないかと思います。

俳句の約束事になっている季語は、『俳句歳時記』に収められたものだけではなく、一般的に季語とされてはいませんが、それぞれの風土に深く根ざした季節の言葉、つまり 土地の貌(かお)をあらわす季語があります。信州大学医学部名誉教授であり、俳人で長野県松本市を中心に全国に広まる「岳」俳句会を主催されている宮坂静生氏は、それを「地貌(ちぼう)季語」と名づけています。

宮坂氏の住む信州や北陸では、【 木の根明(あ)く 】。北海道や東北では【 木の根開(あ)き 】【 雪根開(びら)き 】などと呼ばれる地貌季語があるそうです。
雪国では、まずブナやクヌギの木の根元の周囲の雪が解け始め、地面が見える。山の木々が春を感知して、枝先の葉で光合成を行うために地下水を汲み上げ、その温かい地下水が幹の辺材部の導管を通る。そのため木の周囲から雪解けが始まる。

このことを知って、すぐ思い浮かんだのが、昨年開催された、国立西洋美術館での「ベルギー王立美術館」の出展作品の一つです。
V・ドゥ・サーデレールの〈フランドルの冬〉という絵画で、前景の木立の根元が、まさに“木の根明く”なのです。
木々の向こうは一面の雪景色なのですが、季節のわずかな前兆を描いていたのですね。
画像

自然の息吹を体感する言葉や絵画の細部に描かれる事物の大切な意味から推し量ることのできる作者の思いを、美術や文芸といったジャンルに捉われず、あらゆる事象に注意を向けて、素敵な心地に浸れる時間をなるべく持ちたいと思います。

語りかける季語 ゆるやかな日本
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